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会長挨拶

2020年度会長就任挨拶
-続く世代に伝えたい魅力-

Message from the President
- Real challenges Gas Turbine offers to the following generation -

識名 朝春
識名 朝春
SHIKINA Tomoharu

 この度、渡辺紀徳前会長の後任として2020年度の日本ガスタービン学会会長を拝命いたしました識名朝春です。
これまで、航空機用及び舶用のガスタービンの開発、設計、生産、運用支援に関わってまいりました。開発中の航空機用ターボファンエンジン担当のテストエンジニアとして技術者としてのキャリアを踏み出して以来、ガスタービンとは40年の付き合いになりますが、その奥深さは尽きることなく、いろいろと悩み惑わされながらも、今も魅了されつづけています。一人の若者が、その生涯をかけて付き合っていく対象として、正に「相手にとって不足はない」ものでしたし、今の若い世代の方々にもそう感じてもらえるものと思っています。

 本学会は、そのガスタービンに関連する分野で専門性を磨きながら社会に貢献するという志を同じくする人たちの集団です。これまで歴代の会長、理事、各委員会メンバ、会員、事務局の方々が、その輪を広げるべくいろいろ活動を続けてこられ、多くの成果に繋がっています。学会誌・学術書の発行や学術講演会のみならず、国際的なイベント、教育シンポジウムやセミナー、見学会、市民フォーラム、更には若い世代や女性技術者の交流の場の提供等、実に様々な活動があります。いずれもガスタービンの魅力を再確認したり、新しい気付きに出会える貴重な場です。会員の皆様におかれましては、是非これらの機会を利用あるいは経験していただき、周りの方々にも紹介していただけたらと思います。

 特に、最近は若い世代の学会員数の減少が続いているようです。彼らに如何にガスタービンの魅力を知ってもらうか、ここに日本におけるガスタービン関連の技術や産業の発展の鍵があるように思われます。若い人たちが何に魅力を感じるか、最先端の技術、新しい価値を生み出す技術、世界の在り方を変えるような技術等々でしょうか。そしてその根底に常にあるのが、自分が技術を通して如何に社会に貢献出来るのかということではないでしょうか。我々は、ガスタービンも大いにその道を提供することを彼らに示す必要があります。ガスタービンは、化石燃料を使用し、環境に大きな負荷をかけているということで、ともすれば時代の要請に逆行するような印象を持たれている向きがあります。航空機利用にも「Flight Shame」という有り難くないキャッチフレーズがつけられています。しかし、これはガスタービンや航空機の社会的インフラとしての重要性を否定しているのではなく、環境負荷への強い危機感と負荷低減への高い期待の声ととらえることができます。その期待に応えるための技術課題(従って可能性)がガスタービンにはまだまだ残されています。課題解決のためには、材料、エレクトロニクス、ICT/IOC、AIといった技術との連携も不可欠です。広がりがあって、社会貢献に直結する分野です。そんなことを、本学会の活動を通じて、少しでも続く世代に伝えることが出来たらと思います。

 今年度は、新型コロナウイルスの影響で、社会生活に多くの制約を余儀なくされる状態でのスタートとなりました。学会活動もいろいろな制約を受けるとは思いますが、皆様のご支援とご協力を得て、この伝統ある学会の活動をしっかりと継続し、実りのある一年としたいと存じます。どうか一年間よろしくお願い申し上げます。