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会長挨拶

2019年度会長就任挨拶
-人と情報が行き交うプラットフォームの拡充-

Message from the President
- Expanding the platform for human and information exchange -

渡辺 紀徳
渡辺 紀徳
WATANABE Toshinori

 このたび2019年度の会長に就任致しました。宜しくお願い致します。

 「日本ガスタービン学会は何をやりたいのか?国際社会でどのような役割を果たしたいのか?」当学会のInternational Advisory Committeeの会議で常に出される質問です。いくつかの対応する文言を英文案内などに掲載していますが,定款を踏まえた明確で具体的な統一見解が提示できていないまま時が経過しています。分かりやすい国内外向けミッションステートメントを理事会や関連委員会等で引き続き検討して行きたいと思います。

 学会の最大の役割は,学術・技術情報および人材が交流するプラットフォームの提供です。幸い理事および委員のご尽力により,学会の公益目的事業は充実度を高めて来ており,プラットフォームの形成・発展が進んでいると思います。会員の皆様のご協力に感謝致します。

 人の和を考えるとき,当学会の会員数約2,000名という規模は,大き過ぎず,小さくもなく,ほどよい規模ではないかと感じます。諸活動でできた仲間が多くの場面で一緒に会えるというような関係性が作られる,貴重な環境と言えるのではないでしょうか。この規模を30年くらいも維持しているのは素晴らしいことですが,規模の拡大は無理と思われる現状で,今後は活動に参加する会員の増加が発展の方向でしょう。幸い各種活動の参加者は増加しており,定期講演会の参加人数も毎年最多記録が更新されている状況です。今後も事業の内容をよく吟味して,より魅力のある活動を展開して行きたいと思います。会員の皆様も,是非学会誌およびホームページをご覧になり,イベントに足を運び,また研究開発成果を投稿していただけると幸いに存じます。

 産官学の連携を促進するのもプラットフォームの重要な要素です。学会誌で紹介している通り,当学会の活動が発端となって,NEDOのプロジェクトが実施されているところです。再生可能エネルギーの大量導入時に系統を安定運用するため,極限的な急速起動特性と部分負荷時の高効率特性を有するガスタービンを研究開発するプロジェクトで,新たなガスタービン技術の展開を推し進めるプロジェクトを提案できたことは,プラットフォーム機能の喜ばしい成果です。現在は航空エンジンの基盤技術についても産官学連携プロジェクトの実現を目指して議論を深めているところです。できるだけ多くの会員の皆様が参加できる共同の研究開発をこれからも考えて行きたいと思います。

 最近の正会員の所属別内訳を見ますと,企業所属の会員が全体の77%を占めています。以前の調査では60%程度でしたので,大学・研究所の会員が少なくなっています。今の日本の大学にはガスタービンに直結する研究教育を掲げる研究室は存在しません。これは時代による学術の変化から仕方ないことです。しかし,ガスタービンは多くの学問分野の成果が統合される機械であり,大学で関連する研究を行う方は多くおられます。そのような研究者,特に若い研究者に,研究のガスタービンへの適用可能性を示し,魅力をアピールすることで,当学会への参画を促すことができるのではないかと思います。

 公益法人化後の現在の定款では,技術・学術の状況を踏まえ,本学会が対象とする技術分野を「ガスタービン及びエネルギー関連技術」に拡大しており,各種講演会や学会誌でも,蒸気タービンなどに分野が徐々に拡大しています。現在はガスタービンにしても,複合する技術分野がどんどん広がっており,今後はプラットフォームの広域化も重要な視点だと思います。また,人の和の拡大という点から,男女共同参画や広い年齢層の参画など,多様性も同様に大切なことと存じます。これらプラットフォームの拡充に,昨年度までの活動に引き続き,努めて行きたいと思います。

 これから1年間,会員の皆様のご協力をいただきながら,理事や委員の皆様,事務局の皆様と円滑な運営を進めたく存じます。何卒宜しくお願い申し上げます。